「一方的に商品の良さを伝えるのではなく、診断コンテンツを通じて納得してご購入いただける。だからこそ、LTVや継続率にもつながっているのだと思います。」
そう語るのは、株式会社インターメスティック デジタルマーケティング部の池野 彩恵子氏です。2024年11月に始まったコンタクトレンズ事業「Zoff 1-DAY」で、池野氏は「BOTCHAN Engagement」(MAエージェント)を活用し、購入を迷うお客様に寄り添うLINEコミュニケーションを実践してきました。本記事では、広告を"Web接客"へとアップデートした取り組みと、その成果に迫ります。
企業紹介:メガネを「目の健康と暮らしを豊かにする存在」へ
株式会社インターメスティックは、メガネ・サングラスブランド「Zoff」を展開し、企画から製造、販売までを一貫して手がける企業です。業界に先駆けてSPAモデルを導入し、高品質なメガネを手に取りやすい価格で提供することで、それまで高価だったメガネをより身近な存在にしてきました。
現在は「Eye Performance」を掲げ、メガネを視力矯正の道具にとどめず、目の健康や日々の生活、ファッションまで含めて、気持ちを豊かにする存在へと進化させることを目指しています。2024年11月からは、オンラインストアを中心にコンタクトレンズ「Zoff 1-DAY」の販売を開始しました。

株式会社インターメスティック コーポレートサイト:https://www.zoff.com/
担当者紹介:広告を「お客様との接点づくり」と捉えるデジタルマーケター
池野氏は、デジタルマーケティング部でデジタル広告の運用や施策設計、効果検証を担当しています。同部はECの売上拡大と利用促進をメインミッションに掲げ、SEOやSNS、インフルエンサー施策など、少数精鋭のメンバーがそれぞれの領域を担っています。その中で広告領域を担当し、Zoff 1-DAYのプロモーションをリードしているのが池野氏です。
池野氏「ただ広告を配信するのではなく、事業の考え方を踏まえ、広告というコミュニケーションを通じてお客様との接点をつくりたいと考えています。お客様の課題を解決することや、気持ちに寄り添うことを大事にしながら、利用促進につなげるのが私の役割です。」

株式会社インターメスティック デジタルコマース本部 デジタルマーケティング部 コミュニケーション戦略グループ 池野 彩恵子氏
導入前の課題と背景:「安いから」ではなく「納得して選ばれる」コンタクトに
Zoff 1-DAYの立ち上げにあたり、池野氏が向き合っていたのは、新規事業ならではのテーマでした。
池野氏「新規事業なので、まずは知っていただくところから始まります。特定の課題があったというより、事業を伸ばしていくために何ができるかを考えていました。コンタクトレンズは日常的に使うものです。安いから選んでほしいのではなく、お客様一人ひとりに合った商品を納得して選んでいただき、その答えがZoff 1-DAYであってほしい。その思いがプロモーション全体で伝わればと考えていました。」
そのため、購入を迷っている方にどのような表現や方法で情報を届けるべきか、模索を続けていたといいます。
サービスとの出会いと導入の決め手:迷うお客様に「寄り添えるコンテンツ」
「BOTCHAN Engagement」を知ったきっかけは、広告運用を担う代理店様からのご提案でした。広告だけでなくCRMの要素も含めた目標に対し、プッシュ型広告以外の打ち手として紹介されたのが「BOTCHAN Engagement」です。
池野氏「プッシュ型広告のフォーマットや媒体、記事広告などは、ひと通り取り組んできたつもりでした。その中で、企業アカウントに登録してくださった方への配信だけではない、LINEの新しい使い方だと感じたのが印象的でした。」
一方で、不安もあったと池野氏は振り返ります。
池野氏「LP上にポップアップが表示されることで、ユーザー体験を損なわないかという懸念がありました。LINEを経由すると購入までの導線が長くなるので、途中で離脱してしまうのではないかという不安もありました。」
それでも導入を決めた理由は、コミュニケーションの質にあったといいます。
池野氏「通常のプッシュ型広告のような一方的なメッセージではなく、コンテンツを届けられる。友だち追加という形でアクションしてくださった、興味を持っている方に絞ってコミュニケーションできる点は、とても魅力的でした。迷っている方に寄り添ったコンテンツを届けることで不安や疑問を解消し、安心して購入していただくきっかけをつくれると考えました。」
成果報酬型で、タグを設置するだけで始められる導入ハードルの低さも後押しになりました。「導入には迷いませんでした」と池野氏は話します。

導入プロセスと実行時の判断軸:ブランドを理解した提案と、成功施策のスピーディーな展開
運用開始後、wevnalのカスタマーサクセス(CS)は、「ぴったり度診断」コンテンツの設計、サイト各ページへのフッター導線の設置、表示トリガーの検証、リッチメニューの出し分け、ステップ配信など、さまざまな施策をZoff様とともに積み重ねてきました。担当CSが意識してきたのは、他社様で成果の出た施策を定例の場でいち早く提案し、スピード感を持って展開することです。
「邪魔しない」表示タイミングを検証
導入前に池野氏が抱いていた「ポップアップがユーザー体験を損なわないか」という懸念に対しては、表示タイミングの検証を重ねました。ページを開いて3分後に表示するトリガーではPVCVRが1.48倍に、高速スクロール時に表示するトリガーでは1.27倍に向上しています。サイト各ページへのフッター導線の設置でも、友だち追加率・PVCVRともに最大で約2倍に伸びました。
診断結果に合わせてリッチメニューを出し分け

Zoff 1-DAYの購入方法には「お試し」「30枚の通常購入」「定期便」の3種類があります。「定期便のお客様を増やしたい」という要望を受け、他ジャンルで成果の出ていた手法を応用し、ぴったり度診断で定期便が合うと出たお客様には定期便を案内するよう、リッチメニューを出し分けました。全員に定期便を勧めるのではなく、合う方にだけご案内する設計です。
出し分けの前後で、LINE経由のCVに占める定期便の割合は14%から20%に上昇しました。リッチメニュー経由のCVに限ると、約36%が定期便を選んでいます。
池野氏は、こうした提案の細やかさを評価しています。
池野氏「自分たちだけで考えていると、どうしてもパターン化しがちです。コンタクトレンズは表現の制約も厳しい商材ですが、その中でも購入意欲の高い方に、同じ内容をどんな言い回しで伝えればいいのかといった細かいご提案をいただけて、とても学びになっています。」
クリエイティブについても、やり取りを重ねる中で信頼関係が深まっていったといいます。
池野氏
「弊社はブランド表現を大切にしている会社なので、最初はやり取りを重ねました。オファーの見せ方や動きのある表現など学びも多く、今では弊社が表現したいものを理解していただけているので、安心してお任せしています。」
導入後の成果・得られた価値:定期便の購入比率3倍以上、他媒体を上回るLTV
施策を積み重ねた結果、導入初期と比べて、友だち追加からCVに至る率は約2.2倍に伸びました。CVに占める定期便の割合も3倍以上に高まり、単発の購入にとどまらず、継続して利用いただけるお客様が増えています。池野氏「成果報酬型ということもあり、CPA(顧客獲得単価)はとても抑えられています。全体のCPAを下げる役割でも貢献していただいていますし、友だち追加率やコンバージョン数も、導入当初と比べて伸びてきました。毎月一定数のコンバージョンを獲得できているのは、導入してよかった点です。」
特に池野氏が評価するのは、獲得したお客様の「質」です。
池野氏「広告代理店さんからいただくレポートを拝見すると、他の媒体と比べてLTV(顧客生涯価値)が高く、F2・F3転換率(初回購入した顧客が2回目、3回目の購入へと進む割合)も高いという結果が出ています。コンタクトのビジネスでは、継続して利用していただくことがとても大事なので、そこが本当に良いと感じています。その理由は、コンテンツ設計や、興味の高い方への丁寧なコミュニケーションにあると考えています。」
こうした成果は単発の施策ではなく、さまざまな取り組みを積み重ねた結果だと池野氏は話します。LTVや継続率の高さは、社内でも共有を進めているといいます。
池野氏「メガネは購入頻度がそれほど高くない商材なので、コンタクトが良い事例になっていくのはとても嬉しいことです。ユーザーが能動的にコンテンツを見ていくコミュニケーションは、CRMの文脈で当社が実現したいことの一つです。社内でゼロからつくるのはハードルが高いものですが、他社事例も踏まえて形にしていただけるので、スムーズで安心感があります。メガネではまだ取り組めていなかったことに、コンタクトで新しく挑戦できているのは、担当としても会社としても、とても前向きな変化だと感じています。」
店舗とは違う「ちょうどいい距離感」のWeb接客
池野氏は、BOTCHANを「広告を一方的な情報発信から、お客様に寄り添うWeb接客へとアップデートしてくれる存在」だと表現します。その手応えを感じたのは、継続率の高い購入者へのインタビューでした。
池野氏「皆さん比較検討をしたうえで、まず試してみようと選んでくださっていますが、ちゃんと吟味されています。店舗で測ったり眼科で待ったりする時間はかけずにさっと買いたい、でもちゃんと選びたい。その絶妙なところに寄り添えているのではないかと思います。店舗のように時間をかける接客ではなく、迷うところはきちんと解決できる、ちょうどいい距離感。そういう意味で、接客に近いものだと感じています。」
「ネットに接客はなかった」。wevnalはこの問題意識からBOTCHANを生み出しました。Zoff様の取り組みは、Web上でもお客様一人ひとりに合った接客ができることを示しています。

今後の展望・注力する取り組み:3年目は「ファンづくり」へ
池野氏「1年目は新規のお客様にたくさん知っていただき、ご購入いただく。2年目は定期便を含めた継続率を上げる。3年目はそれを続けながら、『Zoff 1-DAYがいい』と思ってくださるファンを増やしていきたいと考えています。」
そのために池野氏が期待しているのが、コンテンツの広がりです。
池野氏「お客様の悩みや検討のポイントはさまざまです。今は診断コンテンツが1種類ですが、分岐させたり、まったく別のコンテンツをつくったりして、それぞれのお客様に合ったコンテンツを届けられたらと考えています。」
「BOTCHAN Engagement」は今後も機能拡張を予定しており、Zoff様とは新機能を活用した次の施策についても検討を始めています。
同じ課題を抱える企業様へのメッセージ
池野氏「オンラインで何かしらのコンバージョンを目指すなら、導入しない理由があまり見つからないというのが正直な気持ちです。特に、一方的なプッシュではなく1to1マーケティングを目指したい企業さんにおすすめしたいです。プッシュ配信だけでは響かない層にも、丁寧にアプローチできる。すぐに購入を迫るのではなく、興味を持っていただいたきっかけを手放さずに、購入までしっかりつなげてくれるのが魅力です。成果報酬型でタグの設置だけで始められるので、導入のリスクを抑えながら新しいコミュニケーションに挑戦できます。まずは導入してみることをおすすめします。」
納得して選んでもらうことを大切にするZoff様のWeb接客は、2年目を迎え、ファンづくりという次のステージへ進もうとしています。wevnalはこれからも、お客様一人ひとりに寄り添うコミュニケーションづくりに、伴走してまいります。LINEを活用したWeb接客やLTV向上にご関心のある方は、お気軽にお問い合わせください。



